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皆様が普通に使われている石鹸ですが、石鹸の作り方を知っている方は少ないと思います。
石鹸には色々な作り方があり、その作り方で特徴もかわります。今回は石鹸の製造方法とその特徴を知っていただき、石鹸を購入する際の選択材料にしていただきたいと思います。
まず石鹸は何からできているのでしょうか?
石けんのべ-スは、油・水・苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)でできています。
※製造方法や配合する油の種類によって、泡立、洗浄力、肌に対する負担が変わってきます。
石けんの製造方法は大きく分けて2種類です.
①中和法
②けん化法(けん化法は3つの製法があります)
A,熱を加えて作る釜焚き塩析法
B,熱を加えて作る釜焚きけん化法
C,熱を加えず作るコールドプロセス法
①中和法とは
中和法とは、早く固まりやすくするために、あらかじめ油を脂肪酸とグリセリンに分解し、その脂肪酸を水酸化ナトリウムと水とで反応させる方法です。
この製造方法はコストを安く、大量生産したい場合に向いています。できあがった石けんには、保湿成分の天然グリセリンが含まれていません。
②けん化法とは
けん化法とは油と苛性ソーダと水とで反応させる方法です。けん化法には異なる3通りの製法があります。
②-1、釜焚き塩析法
釜炊き塩析法とは、まず大きな釜にすべての材料を混ぜ入れ、かき混ぜます。その後、不純物を取り除くために 塩 を加え、加熱しながら液状石鹸をつくります。(この工程を 塩析 と呼びます。)そこで出来た液状石鹸を型に流し込み、固まったあとに石けんを型から取り出し、熟成させる方法です。
この方法で作った石けんはとても純度が高いですが、塩析の段階で、石けんから不純物と一緒に保湿成分である グリセリン も取り除いてしまいます。
②-2、釜焚きけん化法
釜焚きけん化法とは、大きな釜に材料すべてを混ぜ入れ、熱を加えながらじっくり釜で作る方法です。釜焚き塩析法の塩析の工程がない製法です。
熱を加えながら原料を混ぜ合わせるため、油に含まれる熱に弱い希少成分が壊れやすくなります。また熱に弱い天然成分は配合できません。
②-3,コールドプロセス製法(非加熱)
コールドプロセス製法とは、すべての材料を加え、かき混ぜながら液状石鹸を作り、型に流し込み固まったあとに石けんを型から取り出し、熟成させる方法です。塩析工程や加熱する工程がないために、固めるためや、熟成させるために長い日数が必要となります。(石けん完成まで約40日程度かかります。)完成まで手間や時間がかかるので大量生産、低価格品の製法にはむいていません。
油と苛性ソーダ水を混ぜたときに自然に発生する低温熱で石けんを作るため、油や美容成分などの有効成分を壊すことなく、石けんに丸ごと閉じ込めることができます。
まとめ
石けんの選択としては 究極の2択
中和法:安くて、良く泡が立ち、良く落ちる。洗い上がりは突っ張り感がある。シンプルに汗や汚れをスッキリ落としたい方におすすめ
コールドプロセス製法:スキンケア効果があり、肌に対するダメージもすくない。肌の弱い方や、石けんにスキンケア効果を求めたいかたにおすすめ。ただ作るのに手間や時間がかかるので、大量生産ができず価格は高めです。
*石けんは製造方法でそれぞれの特徴がありますが、ベース素材の油(オイル)によっても泡立ち、使用感、などが変わります。次回は石けん原料としての各種油(オイル)の特徴を説明させていただきます。